「MR-GやMT-Gは、まず決められた構造があって、基本的にその構造に合わせてデザインします。MASTER OF Gも想定フィールドやシーンがあり、そのイメージからデザインを起こしていきました。しかし、G-STEELはいろいろな人に着けて欲しいという裾野の広いシリーズなので、デザインの『とっかかり』を見つけるのが大変でした。

 

齊藤の話にもありましたが、G-STEELはMR-GやMT-Gとは立ち位置が違うので、デザインからもそれが見て取れなければなりません。かといって、MASTER OF Gのような航空、海洋といったイメージをデザインソースに取り込んでしまうと、途端に『特定の目的を持った時計』感が出てしまいます。そうならないよう、あくまで『ベーシックなメタルウオッチ』であること、それでいてG-SHOCKらしいデザインを追求しました。

 

特定の目的を持たないもの、特定の誰かに向けないものをデザインするのは難しいと、再認識させられました。そんな中でヒントになったのは、ベーシックモデルのヒット作であるGA-110。特定の使用シーンを感じさせないデザインながら、G-SHOCKらしい個性と、定番としての存在感があります。

 

これに気付いてから、スッキリした方向にまとまって行きました。結果的には先祖返りというか、原点に回帰した感じですね。とにかく、デザインにかかった時間がすごく長かった。こんなにシンプルなのに(笑)」「バリエーション展開を増やす、つまり、お客さまに数多くの選択肢を提供するというのがG-STEELの方針のひとつです。ですから、2種類のバンド用意するのは企画当初から決まっていました。

 

意識的にメタルのG-SHOCKを求める人が選ぶ製品なので、やはりメタルバンドのほうが人気だろうと思っていたんです。ところが、いざ蓋を開けてみると、樹脂バンドモデルも想像以上にお手に取っていただいています。